ミケランジェロやコルビュジエの様に、建築家は絵画・彫刻などを含めた総合芸術家でした。現代の建築もそのデザイン力を発揮し他分野のデザインにも挑戦しています。
建築家xジュエリーブランド のジュエリーはどんなもの?
ここで紹介する建築家たちは、建築デザイン同様、素材感を尊重しながら、各々の持つ造形センスを発揮し個性的なデザインを展開しています。
さっそく見てみましょう。
ザハ・ハディドxブルガリ
若くして急逝した女性建築家ザハ・ハディドデザインのリングです。
https://www.bulgari.com/ja-jp/353558.html
ザハ・ハディドはイラク出身で東京オリンピック国立競技場の初期デザインを手掛けた建築家です。
彼女のデザインは脱構築主義といわれるアバンギャルドな形態が特徴で、デビュー当初はなかなか実現することがありませんでしたが、PCを用いた建設技術の進化や新興国の巨大資本により実現されていくことになりました。
元々「ビー・ゼロワン」というブルガリの定番デザインのリングがあり、その新型をザハが手掛けた様です。元来の「ビー・ゼロワン」はローマコロッセオをイメージしたという螺旋状の重厚感あるデザインのリングです。螺旋部分のデザインをよりザハらしい 流線型に整えていったものが「ビー・ゼロワン デザイン レジェンド」ということになっています。
ザハ・ハディド × Caspita
スイスのジュエリーブランド、カスピタでのザハ・ハディドデザインです。
流線型の外形デザインを、泡のような六角形で充填させたデザインです。
この様などこか数理的ロジカルさを想起させるデザインはいかにも建築家が作ったデザインと思います。オーナメントに頼ることなくデザインを作れているところに好感が持てます。
https://caspita.ch/produit/skein-ring/
フランク・O・ゲーリーxティファニー
アメリカ人建築家で、ビルバオのグッゲンハイム美術館が代表作です。
彼もザハと同様、脱構築主義のデザインが知られており、魚をイメージさせるなめらかな三次元曲線を用いた外壁と、歪んだ柱梁の構成を得意としています。
ティファニーでは複数のデザインを手掛けています。どのデザインもシンプルでありながら曲線の美しさが現れた上品なデザインです。
隈研吾xヴァンドーム青山
Kengo Kuma + MA, YU by Vendome Aoyama
建築家隈研吾とデザイナー大村真有美氏とのコラボレーション作品になります。
隈研吾は国立競技場や根津美術館などで有名な建築家です。ルーバーを多用した素材感を生かしたデザイン、どことなく和を感じさせるデザインが特徴と思います。
隈研吾の代表的な建築をモチーフにした、コンセプチュアルなデザインです。
中山英之 × Niessing
若手建築家中山英之はドイツのNiessingとコラボをしています。
中山の繊細で脱力したドローイングをあしらったリングです。
私も実物を拝見したことはありませんが、とても軽やかに見えます。
https://openers.jp/watch-and-jewelry/watch-and-jewelry_watch-news/19650
TORAFU ARCHITECTS x gallery deux poissons
インテリアデザインを主たる業務にしているトラフ建築設計事務所。ブルーボトルコーヒーのインテリアは彼らの代表作と思います。コンテンポラリージュエリーを専門に扱うギャラリーであるギャラリードゥポアソンとコラボしたウェディングリングです。
こちらも非常に建築的と言えると思います。
指輪に「時間の経過」をまとわせています。
シルバーで薄くコーティングを施したゴールドリングで、時間の経過とともに、シルバー部分が削れていきゴールドの地肌が見えてくるようになっているようです。時間が経つにつれ、指輪はシルバーからゴールドに変わっていくことでしょう。指輪の表情の変化を眺めるたび、二人が共有している時間を感じることができます。時間が経つことで指輪が身につけたもの独特の表情になっていくのも魅力的ですね。
http://torafu.com/works/gold-wedding-ring
aisato design
さとうあい は上記ザハ・ハディド事務所に勤めたあと独立してデザイン事務所を設立された若手デザイナーです。
彼女のデザインはザハ同様、流線型の有機的なデザインです。デザインが立体的で、どこから見ても美しいです。これは立体である建築を扱う者が可能とするデザインでしょう。
私はまだ実物を見たことが無いのですが、ぜひ見てみたいと思うプロダクトです。
https://www.aisatodesign.com/
La Montagne(ラ・モンターニュ)
建築家兼ジュエリーデザイナーという異例の経歴を持った松井さやかがデザイン。平田晃久建築設計事務所に勤務されていたこともあるとのことです。
ラ・モンターニュは、フランス語で山という意味で、山を想像させるラインに鉱山から採れるダイヤを留めたネックレスがブランドの始まりだそうです。
デザインは幾何学を用いているところ、華奢なところ、異なる2種の素材の組み合わせを楽しんで作られている感じがします。
https://lamontagne-creer.com/about
まとめ
いかがでしょうか。
同じジュエリーでも、やはり自出の異なるデザイナーが作ると別物になりますね。
建築家のつくる、シンプルでノーブルなデザインのジュエリーも手にとってみてはいかがでしょうか。
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