GWを利用しての北海道軽キャン車中泊建築めぐりです。
支笏湖〜マッカリーナ〜洞爺湖〜国立アイヌ民俗博物館〜苫小牧〜富良野 と巡ってきましった。
美瑛の景色 まるで外国のような広大なランドスケープ
美瑛は広大なパッチワーク状になった畑が有名です。
丘陵状になった小麦畑にぽつんと樹木が立っている風景がとても絵になります。
古今の広告に用いられているのもよくわかります。
畑のスケールが大規模で、立っている樹木も緯度の高い地域のものだったりするせいでしょうか、海外の風景のようです。
セブンスターの木、ケンメリーの木、マイルドセブンの丘など、広告で用いられた風景が撮影スポットになっています。
ただ、インバウンド含め観光客の増加で畑への無断侵入や、路上駐車などで、地元農家は困惑しているようです。駐車場などを作ったり、看板を立てたりして対応しているようです。
GWでもアジア系の観光客がバスなどで多く観光されておりました。
こういった産業風景は、観光客が多く来ても当事者へお金が落とされないところが厳しいですね。入場料もしくは共同で運営する食堂+駐車場のようなものをつくるなどができればよいのかもしれません。
美瑛のおしゃれなカフェ・建築
美瑛のオシャレなカフェ、美瑛の野菜を使ったカフェなどもあります。
bi.ble
マッカリーナと同じ運営会社です。
美瑛の広大な畑景色の中に建っています。
廃校を利用した施設で、レストラン、ホテル、パン工房、料理塾をされています。
パン作り体験付き宿泊プランなど、ここならではの企画もあるようです。
美瑛選果
設計:鈴木理
こちらは美瑛市街地にあります。
ガラス張りの小さなキューブ状の建物が複数合わさって建っています。
敷地は、富良野から旭川へ抜ける国道沿い、美瑛市街の起点に位置しており、周囲にはJAのサイロや倉庫群が無秩序に存在している。デザインの手がかりを探る中で、同じプロポーションの単純な形態の連続、限定された素材と単純なディテールの繰り返しという既存農業施設の特徴を景観構成要素として抽出し、デザインに展開する事により、周囲の農業施設との一体感、連続感を獲得しうるのではないかと考えた。それにより、美瑛市街の起点としてのイメージアビリティの向上、シーニックバイウェイのルートである街路沿い空間の質向上に貢献することを目指した。
鈴木理HPより
上記のように、建物のボリュームを決定する際に、周辺の景観というより構成ルールを抽出して拠り所にしている様です。そういった設計手法は少しレアです。
レストラン、カフェ、物販についてそれぞれ廊下で繋がれており独立性が確保されています。
ロードサイドに位置しながらそちら側へ顔を向けていないません。アクセスの際少しわかりにくいですね。その配置計画が商業施設として正しい考え方なのかは少しわかりません。
カフェ、レストラン、物販、パン工房が入っています。
カフェの外には気持ちの良いテラスがありました。
カフェにはスイーツだけでなく、じゃがバターなど美瑛ならではのものも販売されており楽しいです。
ホワイトアスパラガスが有名なようですが、GWでは少し早かったみたいで販売はされていませんでした。
美瑛放牧酪農場 おしゃれなカフェ付き牧場
設計:スタジオエイト
20ヘクタールほどの広大な牧場に乳牛が通年放牧されていて、その様子を見ることができます。
広大な丘陵状の牧場の窪地に、3棟の建物が集めて建てられています。
厩舎、カフェ、チーズ熟成庫がそれぞれ別棟で建設されています。建物の形はそれぞれ脈絡はなさそうに見えます。屋根も片流れ屋根、切妻屋根、陸屋根とそれぞれです。
3棟の建物で厩舎前の乳牛が集まる場所を囲っているように計画され、牛が厩舎から牧草地へ移動する様子をカフェから見ることができます。
建物の素材はコンクリと木造の2種になりますが、地元産材である、美瑛軟石や美瑛産のトドマツが利用されているそうです。
チーズ熟成庫やチーズの工房はガラス張りになっており、製造や熟成の様子を来訪者は見学することができます。
また、放牧地についても経路は指定してありますが、踏み入れることができ、美瑛の広大な風景を丘の上から眺めることができるのはここだけでは無いでしょうか?楽しいです。
カフェでは、牧場で取れた乳製品を用いたソフトクリーム、牛乳、飲むヨーグルトなどをいただくことができます。珍しいところではラクレットトーストがありました。牧場の牛乳を使って作ったラクレットチーズを、美瑛小麦工房の食パン(当牧場の原料使用)にのせてあります。
こちらは車でアクセスでき、駐車場もあります。
アジア最大級デザイナーズ通販サイト旭川駅 木を用いた壮大で優しい駅舎
設計:内藤廣
美瑛から札幌に移動する際、旭川を経由します。目的は旭川駅です。
旭川市は北海道で札幌に次ぐ34万の人口の都市で札幌とは136kmの距離を約1時間30分で結んでいます。
旭川駅の外観はシンプルです。むしろそっけないほどです。一面カーテンウォールのガラス張の建物で、特筆する点は特にありません。ただ、「忠別川」が駅舎の隣を流れています。そちら側には川沿いに大雪山・十勝岳連峰を遠くに眺める景観や、歩行者が憩うことのできる公園が整備してあります。
内部に関しては、そっけない外観と打って変わって濃密なデザインが見て取れます。
鉄筋コンクリートの構造の上に、床はレンガ調タイル、壁・天井は木で仕上されています。
外部からの光がガラス面から降り注ぎ明るいです。外壁がガラス張りだったのは、内部空間に直射日光を取り込む意図があったのでしょう。冬季でも温かい日差しが入ってくる待ち合わせ空間になっているのだと思います。
木材は濃色に着色され、小割板を用いることで、巨大な駅の空間の持つ圧迫感を和らげているのだと思います。
旭川は家具のまちでもあるということで、多様な地元デザインの家具がおいてあり、自由に座ることができます。来訪者に家具への関心を持ってもらうショールームの役割も担っています。
コンコースには上がらなかったのですが、建築は17本の鉄骨トラス柱を配置して屋根を全覆させています。トラス柱は木の幹が空に向って枝が伸びるように文字通り「林立」ししながら鉄の硬いイメージを和らげています。
夜にはコンコース部分の樹上構造体がライトアップされて、昼間見えていたようなシンプルな箱状の建物に隠されていた、ダイナミックな構成が浮かび上がってきます。
(リアルチケット|国内航空券の購入)まとめ
北海道車旅、第3回目は美瑛と旭川編でした。富良野→美瑛→旭川はドライブで観光するうえで効率的なルートだと思います。
富良野、美瑛エリアは建築だけでなく、雄大なランドスケープが素晴らしいので、旅の同行者皆が楽しい行程になると思います。
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