大阪中之島は、大阪の文化発信の中心地です。でも県外の観光者は梅田(キタ)と心斎橋・難波(ミナミ)に行かれることが多く、スルーされがちではないでしょうか?
大阪でおしゃれスポットに行くなら中之島がおすすめです。美術館あり、美味しいカフェあり、雑貨店あり、デートにもうってつけです。
大阪中之島美術館
設計:遠藤克彦
遠藤さんはマンションや住宅など民間施設の実績が多く、これほどの規模の公共施設は初めての作品になったのだと思います。端正なデザインをされる方で、過去の実作もキューブ状の建築が多いようです。美術館は収蔵庫の設計、防災計画など専門的な知識が問われるので、かなり苦戦されたことと思います。
ポイント
下の写真のように、遠くからは黒いキューブが空から舞い降りてきたかのように見えます。
大きな窓がひとつだけついていますね。周囲のオフィスビル・マンションとは全く異なる様相を示しているので、美術館としてのアイデンティティを十分に表現できていると思います。
もう少し近づくと、緑の丘の上に黒いキューブが建っているのがわかります。
外壁の黒い壁は、工場製作のコンクリート(プレキャストコンクリート)を黒くしたもので、表面に特殊加工をして細かい凸凹がつけてあります。そうすることで、壁面に日が当たった際でも、明るく見えない黒色の壁面であり続けるようにしてあります。この工夫は今までありそうでなかったもので、黒いキューブの存在感を十分に活かした表現と思います。
黒いキューブに入るため、丘を登ります。黒いキューブと丘は、間に1層分ガラスを入れることで縁を切り、浮いたようなデザインにされています。
手前の猫は現代美術家ヤノベケンジの作品です。中之島はもともと運河の船着き場があったことなども踏まえ、船を留めつけるボラードの上に乗っている猫なのでしょうね。
キューブの下部は屋上緑化されており、道沿いにおしゃれなレストランや、家具店が入っています。美術館を訪れる以外に目的ができるのが良いですね。
いよいよ美術館の内部です。
内部は金属とガラスで構成された、極めて禁欲的でミニマルな素材構成ではありますが、巨大な吹き抜けや、自然光により多様で魅力的な空間になっています。
キューブの内部は下の写真のように大きな吹き抜け空間となっており、上階の美術館展示室へ向かう黒いエスカレーターが、象徴的にデザインされています。
券売機でチケットを購入して展示階へ上がります。先程の黒いエスカレーターを利用します。
長いエスカレーターを上ることで、ここからは非日常空間だ、という演出になっていますね。
上階から下を覗き込むと下の写真のように、地階から通行者の様子が垣間見ることができます。
展示室は基本的にホワイトキューブです。ただ所々に下写真のような大きなガラス張り空間があります。外から見ていたブラックキューブに穿たれていた部分ですね。
アクセス
電車でのアクセスは以下のいづれかになるかと思います。JR大阪駅から向かうのであれば、四つ橋線を利用するのがシンプルですね。
・中之島線 渡辺橋駅(2番出口)より南西へ徒歩約5分
・四つ橋線 肥後橋駅(4番出口)より西へ徒歩約10分
・大阪環状線 福島駅/東西線 新福島駅(2番出口)より南へ徒歩約10分
中之島は美術館だらけ(近くの美術館)
中之島美術館のある中之島には、他にも見どころが多くあります。アートに一日浸れることができます。
国立国際美術館
中之島美術館の隣に建っている美術館です。主に現代美術を扱っています。施設全体が地中に埋まっています。ちょうど中之島美術館と逆ですね。こちらは海外の有名建築家、シーザー・ペリの設計になります。
大阪市立東洋陶磁美術館
こちらはおすすめの美術館です。中之島美術館から東へ歩いた先にある美術館で、主に古今の陶磁器を扱っています。タイル張の建築ですが、大判のタイルなのでレンガ造の様な重厚さを持っています。
中之島香雪美術館
中之島フェスティバルタワーにある美術館で、日本と東アジアの古い時代の美術品を扱っています。草庵茶室がまるごと建物の中に入っています!
大阪市立科学館
国立国際美術館に隣接した科学館です。科学館なのでファミリーで楽しめます。
おすすめはプラネタリウムです。学芸員が生で解説をしてくれるので臨場感があります。
椅子もフランス製でよく眠れる!?そうです。
近くのおすすめ建築
近くには美術館だけでなく、素敵な建築も多くあります。
以下の建築はどれもおすすめです。
中之島ダイビル
こども本の森
新ダイビル
フェスティバルホール
大阪市中央公会堂
大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)
朝日放送テレビ
近くのおすすめスポット(雑貨、カフェ、レストラン)
中之島には、美味しいレストラン、雑貨屋、などもあります。以下は私のおすすめです。
リーガロイヤルホテル
建築家吉田五十八設計。ホワイエにはなんと川が流れています!
バーは民芸のバーナードリーチが関わっている「リーチバー」があります。
graf
江戸堀 木田
中之島バラ園
万両肥後橋店
GARB WEEKS
PARIS-h(パリ アッシュ)
福島駅周辺
まとめ
いかがでしたでしょうか。
中之島美術館とその近辺の魅力は伝わりましたでしょうか。
現代美術からグルメまで、一日楽しめるスポットです。
ファミリーで、デートで、ぜひ訪れてください。
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