代官山はおしゃれな街というイメージですよね。実際高感度なファッション衣類店やTSUTAYA、雑貨店などが多くあります。代官山の独特な落ち着きと上品さを作っているのは建築の力も大きいと思います。代表的なものはヒルサイドテラス(槙文彦設計)の存在です。
ヒルサイドテラスについても別途取り上げたいとは思いますが、本日は最近できた建築の紹介をさせていただきたいと思います。
ログロード 代官山
設計:ジェネラルデザイン
東急東横線地下化に伴う線路跡地の再開発になります。路線跡地になるので、非常に細長い敷地になります。そこに緑豊かな小径と低層の5棟の建築を作っています。
敷地内は高低差があります。その高低差を建物を階段状に作ったりしながら小径を断絶することなく繋いでいます。建物のサイズは周辺の建物のスケール同様小さく(都市計画的に大きいものが作れないかもしれませんが)まとめてあり、代官山らしい落ち着いた雰囲気になっています。
建物自体はシンプルに作ってありますが、天然木を外壁に利用して、街路全体で暖かで洒落た雰囲気を作り出しています。
植栽、ランドスケープはDAISHIZEN。SOLSOFARMを運営している企業です。
隣地が擁壁となっており景観を整えるのが難しい場所なども、植栽デザインや、ベンチの設置で圧迫感なく整理されています。
飲食店がメインの再開発です。どのお店もとても良い雰囲気です。代官山の駅から少し離れているので、それほど混んでいなさそうなので穴場として利用できそうです。
フォレストゲート 代官山
設計:隈研吾
代官山駅東口の目の前に位置するマンション+商業施設です。
低層部分に商業施設の下駄を履いたマンションという典型的な開発案件です。
典型的なバルコニー付きマンションをどのようにデザイナーとして隈研吾は料理したのでしょうか?
バルコニー部分に木調のアルミパネルをストライプ状に貼り付け、躯体はダークグレーに塗装して目立たなくさせることにより、建物を木造のように温かみのある様相に変えています。また、建物自体がセットバックしている(法的に斜線制限で必要になったと思われる)ことにより建物の圧迫感が少なくなり、よくあるマンションのような画一的な外観印象から離れることができています。
代官山駅からは小さなカフェと小径で繋がっています。カフェは間伐材を用いた木造で、構造も面白いです。金属のジョイントで木材を繋いで作られており、ジョイント部分も目立たないようにデザインされています。
また、こちらではフォレストゲートで発生した食品廃棄物をメタン発酵させて作られた電力が活用されているようです。
SDGsを配慮した、好感度なショップですね。
代官山駅から八幡通りへは小径が続き、通り抜けができるようになっています。
その小径沿いにショップが紐づいています。
建物だけでなく、植栽もおしゃれなものが選定されています。こちらも先程のログロードと同様、DAISHIZENの仕事のようです。SOLSOの店舗も入っていました。
小径沿いの建物デザインも隈研吾が関わっていると思われます。
ローコストながら、アルミの縦格子などを用いて雰囲気を作っています。アルミの縦格子も細いものと太いものを使って単調さを避けています。アルミ材の細太は、同じ材料を取り付け方を縦横使い分けることで表現されています。
カシヤマ ダイカンヤマ
設計監修:nendo 佐藤オオキ
ログロード代官山のそばにある商業施設です。飲食、ファッション、ギャラリーが入っている施設です。
建物はいくつもの箱をずらしながら重ねているイメージになっています。
箱がずれた部分にはデッキテラスが設置してあります。
インテリアのデザインもnendoが関わっているそうですので、そちらも含め楽しめると思います。
モンキーカフェ
設計:中村拓志
12角形の印象的な建物は、東急プラザ表参道原宿を手掛けた建築家が設計したものです。
外観は豊かな緑の中にある木調の建物で印象が良いです。
面白いのは建物の構成です。建物全体が大きな螺旋階段になっています。階段状の床を使って、ギャラリーやカフェとして利用されています。席数は多く取れないのかもしれませんが、階段状になっているので、お互いの視線もあまり気にならずゆっくり過ごせそうです。
まとめ
代官山の建築はいかがだったでしょうか。
今回は近年作られた建物を中心に案内させていただきました。どの建物も代官山駅からすぐ行ける場所なのでまとめて見ることも容易です。また、どの施設も素敵な飲食店が入っているので、そちらを利用して空間を楽しむのもおすすめです。
コメント