神奈川、厚木への旅行はいかがでしょうか。
おしゃれな建築家の作ったカフェ、世界的に有名な若手建築家のつくったパヴィリオンなどをまとめて見学することができます。とても特徴的なデザインの「KAIT広場」は乃木坂46のMVやBTSのJUNG KOOK(ジョングク)がパフォーマンスをした場所です。有名な神社やグルメもあり、建築好きでなくてもきっと面白い旅とすることができると思います。
阿夫利神社、カフェ「石尊」
大山阿夫利神社
2200年以上前から大山に鎮座する関東総鎮護の霊山、大山阿夫利神社。ミシュラン・グリーンガイドで2つ星として紹介されているようで、山頂からの景色は素晴らしいです。
アメニティもしっかりしており、ハイキングの場所としてもおすすめです。
登山はせずにロープウェイで簡単に山頂にアクセスも可能です。
参道にもお土産物屋や食事処があり、それらを見るのも楽しいです。
アクセス
アクセスは小田急線「伊勢原駅」からバスの利用になります。
車でのアクセスも可能で、参道沿いに多く民間パーキングが有りました。
カフェ「石尊」
設計:堀部安嗣
阿夫利神社下社客殿の応接室をカフェにリノベーションをしたそうです。
元々の応接室を活かしながら、外部テラスなども設けてあります。
応接室が一番奥にあり、その前にテーブル席、一番外側にテラス席があります。それぞれ床の高さをかえることで居所として性格を変えています。
内装は木造で羽目板張となっています。杉材でしょうか?表面の仕上をしておらず、ラフな少しささくれだった仕上がりです。材料としてはかなり安いものになるのでは無いかと思いますが、その荒いテクスチャのお陰で素材感や材料の厚みを感じることができ、チープさを感じられません。
山奥への建設資材の搬入は大変で、小さな建材しか運べなかったようです。そういった制限のなか工夫をして設計されています。
テラス席は、美しい山並みを一望できる場所にあり、とても気持ちが良いです。
お店は小さいですから、ぜひ早めに山頂に着いて良い眺望をゲットしましょう。
グルメ
「石尊」のコーヒーも美味しいです。
また参道沿いには豆腐料理のお店が軒を連ねています。
きれいな水で作られた豆腐料理をいただくのも悪くないですね。
KAIT工房、KAIT広場
乃木坂46のMVやBTSのJUNG KOOK(ジョングク)がパフォーマンスをした場所、それが「KAIT広場」です。
KAIT広場は、神奈川工科大学キャンパスのなかにあります。
神奈川工科大学のキャンパス内にはもうひとつ、「KAIT工房」という施設も一押しです。
KAIT工房
設計:石上純也
大学のキャンパスのほぼ中央に配置されている、平屋建ての総ガラス張りの建築です。
学生にものづくりの楽しさを体験させる場所として設立された施設とのこと。レーザー加工機や3Dプリンタ、金属加工などができるようになっています。
外観は平屋建ての総ガラス張りの建物です。ガラスも枠がない(2点支持)納まりにしてあるので、全面のキャンパスの広場からそのままつながっているように見せたかったのではないかと思います。
四角い建物に見えて微妙に壁面が湾曲しています。全面広場と直線の壁面で正対することを避けて、より境界を意識しないように配慮してあるのだと思います。
内部が圧巻です。白いストライプの様な細い棒が林立しています。305本あるとのそうですが、これが柱となって2000平米の屋根を支えています。
細い棒は、場所によって疎密に違いがあります。それはこの工房が学生にものづくりの楽しさを発見してもらうため、ということと関係しています。設計者は部屋ごとの間仕切りをなくして、ものづくりをしている様子、機械などを互いに見ることができ、興味を促すようにしています。といってもただ間仕切りを取るだけでは集中して作業もしにくいです。そこで、柱を自然の林のように疎密を作ることで、柱の少ないひらけた場所が工作を行う場所、柱の多い場所が通路や空間を仕切る場所というふうにつくってあります。
柱の疎密や、長方形断面の柱の向きをバランス調整することで、細い柱でも耐震性を備えた建築とすることができています。
一緒においてある椅子も、建築家のデザインです。折り紙のように厚みのないとても不思議な椅子です。スチールを折って作ってあり、裏面に補強を入れることで、この形状を獲得しています。
実際に使っている様子も面白いです。収納がまったく無い建物で、荷物や工具がそのまま置かれているのですが、それほど汚らしく見えません。空間全体に白いストライプ柱が通奏低音を作っているからかもしれません。
KAIT広場
設計:石上純也
KAIT工房の裏手、グラウンドとの間に建っているのがKAIT広場です。
芝生の丘に白い扁平な箱が埋まっているような外観です。こちらも長方形の平面をしているかと思えば、実は壁面が微妙に湾曲しています。「四角い抽象体」をつくるというオブジェ思考ではない、ということでしょうか。
KAIT広場は、機能のない抽象的な建築です。作り付けの家具もない、まさに屋内の「広場」です。リラックスしたり、空間がもたらす他にない感覚から新たな発想が刺激されるような施設として作られているようです。学生が自由な発想で活動に使われていくことを想定されているそうです。(なんと贅沢な施設!)
床はすり鉢状に斜面になっています。天井も床と同様に中央に向かって高さがひくくなっています。その天井は四角い開口が59個あります。ですので、雨の日はそのまま屋根の開口から内部に雨が滴り落ちるようになっています。
一面ライトグレーの空間は、すべて曲線でできていて、床と天井に勾配があるので壁も見えません。よって角や隅がなく、空間がどこまで続いているかわからないように見えます。ミニマルな空間の中に天井の開口から外光が床に差し込み、床は四角いパターンが付いているようです。
建物の端に行くと床がせり上がっています。そこから室内を見回すととても面白いです。
天井が中央に向かって垂れ下がっているので、その天井の開口から建物の外観や空が見えます。建物内部から建物の屋根が見えるなんて状況はほぼ無いので、本当に不思議な体験です。
利用者は、斜面に腰掛けておしゃべりなどをされています。ちょうど天井から光が降り注ぐ場所を目指して自分の座る場所を決めているようです。床としては特に特徴の無い場所に、自然光で居所のキャラクターをつけているという感覚が、KAIT工房で林の中で自分の居所を見つける感覚と似ています。
こちらもKAIT工房同様に柱が一本もありません。少しマニアックな話をすると屋根を支える梁もありません。天井もとてもうすいです。これは天井が薄い鉄板でできていて、建物の隅からこの鉄板を引っ張ることで柱をなくすことができています。逆に風で屋根が飛ばないように、鉄板の上に脱色アスファルトを引いて重しにしてあります。
デザインも、構造計画もどちらも他にない建築です。通常の空間体験では味わえないです。
ぜひ一度足を運ばれることをおすすめします。
BTSジョングクは「CDTVライブ!ライブ!」にソロで出演して
「Seven」「Standing Next to You」を披露したようです。
アクセス
最寄り駅は小田急小田原線「本厚木駅」です。
見学の方法
KAIT広場は大学の施設になるので、一般の方の見学は制限されています。
大学HPから予約をすることになります。
ただ人数制限もあるので、なかなか予約しづらい状況のようですので、早めに計画を立てることをおすすめします。
見学の裏技があります。それは、、、「学祭」です!
11月くらいに開催されているようです。この時期は予約せずにキャンパスに入れます。よって「KAIT広場」「KAIT工房」どちらも自由見学が可能になります!
まとめ
神奈川県伊勢原・厚木の旅はいかがでしょうか?
ほかでは見ることのできない建築を見ることができ、かつハイキングにもなる、一石二鳥の旅行をすることができると思います。
ぜひご検討ください。
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