京都は日本建築から現代建築まで楽しめる旅行が楽しい都市です。
みどころも多いのでゾーニングして案内出来ればと思います。
京都駅ビル
原広司設計
京都の木造、町家の並ぶまちなみにマッチしない巨大な駅舎です。東西に長く、まちを南北に分断しているようにも感じられます。
建築は商業原理で決まるもの。。百貨店、ホテル、劇場という建築プログラムが決まっていた時点で建築家にできることとできないことがあるわけですね。。
内部の空間はまさに原広司ワールドです。都市の断片をグラフィック・ミラーガラス・フォリー(小さな小屋)を用いながら内部に取り込み、巨大な空間でありながら不思議な落ち着きがあります。
原広司のデザインはなかなか意図がわかりにくいと思うのですが、モノクロ写真でミラーガラス部分や変わった形状の屋根部分をごちゃまぜにして撮影してみるとわかってくるかと思います。
実際の都市のまちなみと建築のエレメントが渾然一体となり、そこが内部なのか外部なのかわからない不思議な写真になっていると思います。
京都タワー
山田守設計
名古屋タワー、東京タワー、通天閣などのタワーとは全く異なったデザインです。モノコック構造という飛行機などと似た構造形式を取ることで他のタワーとは全く異なったデザインを可能にしています。和蝋燭をイメージしたというのは間違いで灯台をモチーフにしているとのこと。
東寺
京都っぽくないお寺です。よく京都のイメージ写真にはこちらのお寺の五重塔が利用されますが。。。 私の印象だと、京都の文化財は江戸時代以降のものが多く、案外平安時代のものが少ない感じがします。東寺の伽藍の巨大さ、仏像のそれは奈良に近いです。「はんなり」のイメージは安土桃山時代以降に作られたのではないかと思っています。
その東寺、国宝をとんでもない量抱えています。建築としては金堂、五重塔、智積院客殿、御影堂、蓮花門の5件、その他仏像や絵画でも20件以上あるのではないでしょうか。
「国宝」は伊達じゃありません。国が「宝」と定めたとびきりのアートです。もし観光で迷われたらまず「国宝」かどうかで判断しても良いかと思います。
角屋 輪違屋
角屋はもと花街、島原にある揚屋(宴会場みたいなもの)建築です。
http://sumiyaho.sakura.ne.jp/
現在は美術館として公開されています。
ここはまさに谷崎潤一郎「陰翳礼讃」の世界。奥行きのあるお座敷のふすまのキラ(雲母)を利用したパターン(唐紙)はラメ状になっており、薄暗い中でも光を拾い独特の色っぽさ、奥行き感を感じることができます。また、赤壁や黄色い漆喰壁など、素材感・色も利用され、現代建築には無い色気を感じる空間となっています。
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